須田総合法律事務所、代表弁護士の須田啓介です。ご相談おまちしています。


離婚をするにあたって、未成年者の子供の養育費の問題は離婚後の生活を左右する重大な問題になります。
このページでは、未成年者の養育費の問題について、東京弁護士会・弁護士須田啓介がお伝えします。

Contents

そもそも養育費とはどのようなものなのか?

養育費とは何か

養育費とは、未成年者の子供を育てていくために必要な費用のことをいいます。
通常は、未成年者の子供が自立して生活してくために必要な生活費・教育費・医療費などの総称をいいます。

離婚の際には養育費をとりきめなければならない

離婚の際には夫婦は養育費をいくらにするのか取り決めなければならないと民法766条が規定をしています。
これは、養育費の取り決めをしないまま離婚がされて、その結果養育費を受け取ることができない人が8割近くにも達するという現状があるため、平成23年の民法の改正で条文にされたものです。

養育費をどのように請求するのがよいか

ではここからは養育費を請求するためのタイミングと方法について考えてみたいと思います。

養育費の取り決めのタイミング

養育費の取り決めのタイミングはいつになるでしょうか?

協議離婚の場合

上記の民法766条に規定されている通り、離婚協議時に取り決めをしておくべきでしょう。後述するように公正証書にすることを忘れてはなりません。

裁判所を利用した離婚手続きをとる場合

調停離婚・審判離婚の場合はそれぞれ決定時に、裁判離婚については養育費の要求を民事訴訟法の手続きにそってしていれば判決時にそれぞれ同時に取り決めをしてくれます。

養育費の取り決めるべき事項

以下のようなものが挙げられます。

  1. 金額
  2. 支払時期
  3. 支払い期間
  4. 支払い方法
  5. その他

養育費の決め方について

話し合い

まずは、双方で話し合って決めることが第一に行われます。

調停・審判

話し合いが平行線で決まらない場合には、裁判所に対して調停の申立をすることになります。

裁判

離婚を求める訴訟を提起する中で、養育費をどのように支払うか判決で決めてもらうことになります。

決めた養育費は書面にする

支払われない養育費を獲得するのは大変

もし養育費の取り決めをしたとしても、いざ支払われない場合には次のような手続きを取る必要があります

  1. まずは、民事訴訟を起こします
  2. 和解・もしくは勝訴判決をもらいます(ここまで最短でも3ヶ月はかかります)
  3. 給与や家などの財産に対して強制執行をする必要があります(最低でも2ヶ月はかかります)

公正証書にしておけば裁判の必要がなくなる

執行受諾文言付き公正証書を作成しておけば、裁判の必要がなくなく、その証書をもっていきなり執行を行うことができるようになります。
ですので、協議離婚を行うときには必ず公正証書をとっておくことにしましょう。
裁判所を利用する離婚手続の場合にはそこで作られる書面で執行をすることができるので公正証書を作成することは不要です。

養育費の相場は算定表をもとに作られるのが通常

養育費に関しては、離婚をする当事者である夫婦のどちらに落ち度があったかという慰謝料のような考え方はしません。
これは養育費はあくまで子供の養育のために使うものであって、夫婦の離婚の精算に用いられるからです。
そこで、判断の要素になる事は限られており、実務としてはいわゆる「養育費の算定表」と呼ばれるもので判断する事になっています。
養育費の算定表のPDFへ(外部サイト・裁判所のホームページより)
具体的なケースで養育費がいくらになるのかは、法律相談の範囲で概算を出すことができますので、ぜひ当法律事務所の弁護士にご相談をください。

養育費算定表以上の金額をもらうことはできないか?

たとえば離婚時に、子供が私立学校に行っているとしましょう。養育費算定表が教育資金については公立の学校に通っていることを前提に計算をしておりますので、私立学校にそのまま行かせたいというような場合には、養育費算定表に基づく支払いを確定させてしまうと、学校に行かせることの維持が難しくなる可能性があります。
そこで、養育費算定表以上の金額をもらうことは可能なのか?ということが問題になります。
結論としては、可能といえば可能になります。
まずは、話し合いで養育費を決める場合にはそれに従うことになるので問題ありません。
調停や審判・訴訟などで養育費を決まる場合には、養育費算定表に従うと不合理であるという結論をしっかりと伝え、裁判官等を説得することで可能となる場合があります。
この説得には高度な専門的判断が要求されますで、必ず弁護士に相談してみることにしましょう。

養育費は何歳までもらえるか?

原則的には、養育費は子供が20歳になるまで

養育費は子が何歳になるまでもらえるのでしょうか。
この点については、基本的には実務的には20歳になるまでというのが基準となります。
民法では20歳が成年としているためであると考えられています。

子供を大学に行かせたい場合にはきちんと合意したものを書面化すること

もちろん近年では子供を大学にいかせる人が多くなりました。
この場合には、協議離婚や調停離婚において離婚を成立させた場合にはきちんと書面に大学卒業までの養育費を出してもらうように書面にしてもらいましょう。

養育費のもらい方(一括・分割)

養育費の支払いを一括でしてもらうようにしてもらうことはできるのでしょうか。
これについては、当事者で話し合って離婚する協議離婚においては、自由にすることができます。
調停離婚・審判離婚・裁判離婚においては、養育費の認定については分割となることになります。

養育費の増額・減額

養育費を一度決めたとしても、様々な事情で権利者としては養育費をもっともらいたい事情ができた、であったり義務者側としても養育費を減額してほしい、という場合もでてくるでしょう。
このような養育費の増額・減額は可能なのでしょうか。

養育費の増額を請求することも可能

たとえば、養育費の合意をした後に子供が病気にかかってしまい、生活に必要な資金が増えたとしましょう。
このような場合にも生活費の増額を請求できないとなると、養育費だけで生活している側はたちまち生活が成り立たなくなってしまいます。
そこで当事者間の話し合いを第一に、まとまらない場合には調停を申し立てるなどしてえ養育費の増額を申し立てることができます。

養育費の減額を請求することも可能

養育費を送っているほうの事情として、養育費の減額を請求したい場合もあるでしょう。
たとえばよくあるパターンとしては、自分が再婚して新しく子供ができたような場合には、そのままの養育費を支払い続けるのは苦しいので、減額を請求したいというケースです。
もう一つよくあるケースは、養育費を受け取っている方が再婚をして経済的に余裕があるような場合です。この場合も養育費の減額を請求したいというケースですね。
このような場合には当事者間で話し合って、話し合いができないような場合には調停を申し立てて減額の請求をすることもできます。

養育費の支払いが止まった場合には?

養育費の支払いは当事者が任意で行う以上、なにかの拍子に止まってしまう事は充分に考えられます。
その場合にどのような事ができるのでしょうか。

離婚調停・離婚審判・離婚裁判の場合

離婚調停や離婚審判・離婚裁判での和解や判決において養育費の支払いについて定めたにもかかわらず、義務者が養育費の支払いをしないような場合には、担当してもらった家庭裁判所に相手方に対して支払いをするように命令してもうことができるようになっています(履行勧告・履行命令という呼び方をします)。
この、家庭裁判所からの命令に正当な理由がないにもかかわらず反した場合には、10万円以下の過料を収めなければならないという法律になっています。
しかし、逆にいってしまうとそこまでの間接的な強制力しかないので、この制度があるということは頭に入れていただいた上で、現実的には次の方法を検討していただくことになります。

強制執行

養育費の支払いがされず、裁判所の履行勧告にも応じない・そもそも協議離婚書しか作っていないような場合には、強制執行を行うことを考えましょう。
強制執行にあたっては、「債務名義」という強制執行をするために必要なものがあります。協議離婚の場合は離婚協議書を公正証書にしている場合で、離婚調停・離婚審判・離婚裁判で判断をしてもらったときには、その判断をした書類がこれにあたることになります。
強制執行については、一般的には、相手の給与や不動産の差押をすることがほとんどです。給与に関しては通常の強制執行ですと、給与の1/4しか差し押さえができないのですが、養育費債権の場合には、これを拡充しており、1/2まで差し押さえることが認められています。
強制執行の対象になるのは、未払い分の養育費があった時の未払い分に対してのみできるのが原則です。
ですので「将来払わないかもしれないから、先に強制執行をしておきたい」というのはできないのです。
しかし、現在に至るまで養育費が滞っている状況があり、今後もそれが予想される場合には、将来の養育費債権に対しても強制執行ができます。
このように給与債権は養育費の支払いの強制執行の場面では重要なものになるので、相手方の勤務先の把握は常におこなっておくべきことになります。

養育費が見込めない場合には、児童扶養手当の受給手続きを急ぐ

たとえば執行すべき財産がない(無職である、住宅等もない、自己破産手続きをしている)などで、養育費に頼ることができないとなった場合のために、児童扶養手当が用意されています。
強制執行に意味がないと思ったときにはすみやかにそちらの手続きにうつるべきことになります。

自己破産した場合には養育費は免責されるのか

離婚の理由にギャンブル等で借金を作ってしまったようなケースもたくさん私達はみてきました。
そのような場合に離婚をした当事者から相談を受けるのは、自己破産をした場合には養育費ももう払わなくてよいのか?ということを尋ねられます。
しかし、結論としては自己破産をしても養育費は免責されません。
破産法は原則としてすべての債務を免責してくれますが、例外があります。養育費はこの例外にあたります。

子供に会わせてもらえないので、養育費を止めたいが認められるか

養育費とよく天秤にかけられるのが子供と会うことの問題です。
子供に会う権利と養育費の問題は事実上は密接な関わりがあるものの、認められないと考えてください。

まとめ

このページでは、養育費がどのようなものか、その相場の決め方、強制執行の仕方、その他の事項についてお伝えさせていただきました。
養育費の支払いは支払う側の事情に大きく左右される事になってしまいますので、一度支払いがなかった場合には急ぎの対応が必要になる事になります。
養育費の問題で何かおこまりの事があれば弁護士による法律相談を是非ご利用ください。

須田総合法律事務所、代表弁護士の須田啓介です。ご相談おまちしています。


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