須田総合法律事務所、代表弁護士の須田啓介です。ご相談おまちしています。


離婚をした後に親権者でない方の親が子どもと会うことができることのできる権利を「面接交渉権」と呼んでいます。(「面会交流」とも呼ばれます)
このページでは、面接交渉についてどのように決めるのかについて、東京弁護士会・弁護士須田啓介がお伝えいたします。

面接交渉権の根拠はどこにあるのか

面接交渉権の根拠は、民法766条にあります。

父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

面会交渉権の制限

面会交渉権はあくまで「子の福祉」(=子供の幸せ)のためにある権利なので、子どもの意思や精神状態等の子供に与える影響などを考慮して制限されることがあります。

協議が整わない場合にはどうなるのか

面会交流権についての協議が整わない場合には、どのような過程で面会交渉権は決定するのでしょうか。

調停

協議離婚・調停でも合意を得られない場合には、調停をしてもらう事になります(家事審判法9条1項乙類4号)。
調停を最初にしなければならない、いわゆる調停前置主義の条文はないのですが、通常は調停の申立から始めます。
調停の申立には以下の費用と添付書類を必要とします。

  1. 申立費用
    1. 収入印紙:1,200円分
    2. 郵券(切手)800円分
  2. 添付書類:申立人と相手の戸籍謄本

審判

当事者間で調停が不調になった場合には裁判所は審判手続に移行することができます。

離婚訴訟の付帯処分

離婚訴訟において、離婚をするかどうかと合わせて一緒に判断をしてもらうことを付帯処分と呼んでいます。

決められた面接交渉権をまもらない場合にはどうすればよいのか

上記の協議・調停・審判・裁判で決められた面接交渉権も他方の親によって守られない場合には何をすることができるのでしょうか。

履行勧告、履行命令

家事審判法15条の5・15条の6において定める履行勧告、履行命令を出してもらうことができます。
これは裁判所からきちんと約束を履行(まもる)ようにと告げてもらう事を言うのですが、強制力のあるものではないので、あまり意味がないといわれています。

直接強制はできない

直接強制とは、裁判所が執行手続きを経て無理やりにでも会わせることをいいます。
これについてはできないと解釈されています。

間接強制を実行する

間接強制とは、会わせない場合には賠償金を払いなさいと裁判所が判断を下すことにより、心理的に会わせるようにしてもらうことをいいます。
しかしこちらも、親が協力が必要となります。

損害賠償請求権を行使する

判例の中には、会わせないことに対して不法行為責任が発生するとして、損害賠償を認めたものがあります。
しかし実質は上記の間接強制と同じ構図にかわりはなく、損害賠償請求をする事自体が「子の福祉」=子供のためになっているのかという疑問もあります。

まとめ

このページでは、面接交渉権の内容と制限、手続きと履行方法についてお伝えしてまいりました。
履行を求める事は現実的にかなり難しいものになるので、確かな交渉力が必要となります。
ぜひ、法律相談を利用して、何ができるかということを提案できればと存じます。

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(文責:東京弁護士会・弁護士須田啓介)