どんな手段を使ってでも絶対に離婚をしたい!そのように思った場合、離婚訴訟を起こすことを考えている方も多いと思います。

このページでは離婚訴訟についての基礎知識と具体的な進め方について、東京弁護士会・弁護士須田啓介がお伝えいたします。

最初から離婚訴訟を起こすことはできない

相手が離婚に応じない等で離婚訴訟をしたい場合でも、実は最初から裁判をすることができるわけではないことに注意が必要です。

というのも、離婚訴訟についての基本原則を定めている人事訴訟法により、まずは調停での話合いをするように規定がされているのです。

家事調停がうまくまとまらなかったことが、裁判での判断を仰ぐことができる前提の制度であることをまずはしっかり把握しておきましょう。

離婚訴訟では何をしなければならないか?

まずは離婚訴訟に関する当事者の定義について確認

離婚訴訟を起こしたほうを「原告」起こされたほうを「被告」と呼びます。

離婚訴訟では、原告が離婚成立する状況であること(離婚原因があること)を証明する責任がある

裁判を起こされると裁判所はその訴えに対して公的な判断を下さなければなりません。

ですので「離婚が成立するかどうかわからない」という判断は許されない事になっています。

そのため、裁判所は証明責任という基準に沿って判断をすることになります。そしてその証明責任は原告にあることになっています。

少し難しい言葉が出てきてしまいましたので簡単に言い換えますと、離婚においては原告が「離婚をする状況にあります(離婚原因がある)」ということを証明しなければならないと法律が定めています、という事になります。

その他の事項について

財産分与はいくらになるか、慰謝料がいくらになるか、親権はどちらが持つのが妥当なのか、面会はどのように行うべきなのか、年金分割はどのように行うか…離婚訴訟においては他にも決めなければならない事項が山ほどあります。
これら離婚をするかしないか以外の事項を「付帯事項」と呼んでおります。
付帯事項については主張をする・しないは当事者の自由に委ねられております。原告が主張することもあれば、被告が主張することもあります。
主張をする方が証拠を揃える必要があります。
ですので、原告として付帯請求をする場合には、その部分についても立証責任があることになります。

離婚訴訟を起こす手続き

訴状の提出

離婚訴訟は裁判所に訴状を提出することによって行います。平成16年3月までは地方裁判所に訴状を提出することになっておりましたが、法改正があり、現在では家庭裁判所で案件を扱っています。

訴状は、原則として原告または被告の住所を受け持っている家庭裁判所に提出をします(受け持ちのことを管轄という呼び方をします)。

提出する書類

訴状は裁判所に対してのみ提出するわけではありません。相手方に特別送達という手段で届けられる事になります。ですので少なくとも2部必要となります。

手元に訴状の控えがほしい場合には3部用意をして、一部に受付印を押して返してもらうことも可能です(弁護士が代理をする場合には必ず3部用意をしています)。

裁判所は提出された訴状から、訴訟をする要件がそろっているかを審査しなければなりません。

その判断のために、添付する書類として、二人が夫婦であることを証明する書類を必要とします。具体的には戸籍謄本(戸籍事項全部証明書)を添付するよう要求しています。

年金分割を行う場合には「年金分割のための情報通知書」及びそのコピーを要求しています。

また訴状に証拠として提出する書面(甲号証といいます)については、その書類を2部づつ提出することを求められます。

離婚訴訟の進み方

まずは相手に訴状が送達される

提出した訴状が相手に送達がなされます。訴状の送達をもって正式に事件が裁判所で審理される状態になったといえます(事件が係属するといいます)。

離婚裁判に先立って財産を隠したりしそうな場合には

民事保全手続きをとることによって、貯金などの財産を仮差押することができることになっています。

第一回の審理の日程(期日)が設定される

相手に対して訴状が送達されると、裁判所は第一回の審理の日程(期日といいます)の調整をします。約4週間~6週間くらい先のことが多いです。

第一回の裁判(期日)に出頭する

裁判所で決められた日程(期日)に出頭します。初回は訴状で書いた内容を確認するだけなので、あっという間に終わります。
最後に次の日程(期日)を確認すると終わりです。

2回目以降の期日について

第一回目の期日では訴状に主張したい内容を書いていましたが、二回目以降は予め準備書面を備えて臨むことになります。裁判所に1通と相手方に1通をFAXや郵便で送ることになっています。

離婚訴訟の途中で和解を進められることも

裁判の最中にも当事者に和解をすることができないか、裁判官が勧めてくることがあります。そのための日程(期日)が組まれることもあります。

離婚訴訟の終わり方

離婚訴訟は次のような形で終わることになっています。

和解

上述したとおり、離婚訴訟においても裁判官は和解ができそうであれば和解をすすめてくることがあります。これに応じると判決を出してもらったのと同じ書類を揃えることができる効力のある「債務名義」というものを取得することができます。

判決

和解を拒絶した場合には、最後まで主張とその主張にあった証拠を揃える行動を繰り返します(立証といいます)。
裁判官が判決を下すのに十分な判断資料があると判断した段階で、裁判を終了することを「結審」といいます。
結審をしてから約●週間くらいで裁判の結果(判決)が言い渡される期日が設けられ、その日に判決の内容を確認することになります。

慰謝料や養育費を離婚訴訟をしても払わない相手には

民事執行手続きにしたがって相手方の給料や資産(住宅)等を差し押さえることになります。

まとめ

このページでは離婚訴訟の基礎知識と、具体的な進め方についてお伝えをさせていただきました。
離婚訴訟では単に書類を揃えるだけでよいのではなく、その書類に基づく相手の行動を一歩も二歩も先を読んだ行動をしなければなりません。
そのコツは裁判のプロである弁護士にしかわからないところがあります。
須田総合法律事務所では、離婚に関する相談を年間200件以上、関東近県の方にご利用いただいております。
まずは法律相談を是非ご利用ください。