協議離婚をするにあたって「離婚意思があったこと」は当然の条件とされます。
ではその根拠は?どういうケースが当てはまるのか?その内容は?などの諸問題について、東京弁護士会・弁護士須田啓介がお伝えさせていただきます。

離婚意思がなければ離婚は無効なのか?という問題はそもそもなぜ発生するか

離婚意思がなければ離婚は無効なのか?という問題がそもそも発生する原因は、婚姻の場合の民法742条1項のように、離婚意思がならなければならないとする条文がそもそも存在しないことに起因します。
しかし、離婚意思がなければ離婚は認められないのは、明文の規定がなくても明らかなのは変わりがないので、民法742条1項を類推適用をする形で協議離婚の成立には離婚意思が必要であるという事に現在異論を唱える方はいません。

どのようなケースで離婚意思がないことが問題となるか

典型的には次のようなケースが考えられます

  • 夫・妻の一方が勝手に離婚届けを提出した
  • 離婚届けを作成したものの、気が変わったにも関わらず提出されてしまった

離婚意思の内容についての議論

離婚意思とは何か?については、学説上大いに議論をされています。
以下主な2つの学説を紹介します。

実質的意思説

「事実上、夫婦関係を終わらせること」こそが、離婚意思であるとする学説をいいます。

形式的意思説

「離婚届けを提出すること」こそが、離婚意思であるとする学説をいいます。

判例の立場

古い民法時代の判例なのですが、ある目的のための事実上の婚姻関係は維持しつつも、協議離婚の届出を出したケースで次のように判示しています。

法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてなしたものであり、このような場合、両者の間に離婚の意思がないとは言い得ないから、本件協議離婚を所論理由を以つて無効となすべからざることは当然である。

この判例は形式的意思説に近い判例を指すものであるとして評価をされています。

いつまでに離婚意思があればよいか

離婚意思は基本的に離婚届の届出時の時に存在していなければならないとされています。
ですので、届出時に離婚に反対していたような場合には離婚の無効を主張することになります。

離婚意思がないままされた離婚届の追認はできるか

上記で見てきたように、離婚意思がないままされた協議離婚は無効です。
しかし、あとから離婚意思のなかった方が、これを追認することができるかどうかはどのようになっているのでしょうか?
判例の中にはこれを認めるものもありますが、追認があったかどうかは慎重に判断すべきであるとされています。
(文責:東京弁護士会・弁護士須田啓介)